人為的事故による水道のトラブル

厚生労働省の資料による平成20年の水道関連の事故をまとめました。
1年間30件という数の水道事故が発生しています。

水道事故は健康被害を伴う可能性が高く、知らずに使用してしまう事もあるため怖いです。

目次

給水停止を伴う濁水事故

場 所:宮城県 登米市
時 期:平成 20 年 2 月 12 日
事業者:登米市(水道事業)
概 要:
12 日午後 10 時、保呂羽浄水場ろ過池の濁度異常上昇警報が発生した。これは沈殿
池清掃準備のため、沈殿池の上澄水を水中ポンプによりろ過池へ流入する作業を行っ
ていたところ、想定以上の堆積物により高濁度の水までもろ過池に流入させたことによる
ものであった。その時点で給水停止を行わなかったため、高濁度の水が給水されたもの
である。事故発生後 12 時間を経過した、翌 13 日午前 10 時に給水停止(使用制限)と住
民への周知を行なうとともに、周辺水道事業体からの給水応援を受けながら復旧を行な
い、逐次使用制限を解除し、14 日午後 1 時に全面復旧をした。
事故の主たる要因は、沈殿池清掃にあたって、当該作業の危険性を深く認識すること
なく長年に渡って実施していたこと、作業管理が徹底されていなかったこと、濁度の異常
上昇警報が発生した場合の対応に判断ミスがあったこと、作業マニュアルや危機管理マ
ニュアルが整備されていなかったことであり、更に水質基準値を上回る濁度と色度の水
を給水していることを確認した後も、ドレン作業を優先させ、住民への周知が遅れたこと
が被害を拡大させることとなった。本事故は人為的要因によるものであることから水道料
金の減額と損害賠償を行っている。

 

給水ポンプ劣化によるスチレン・トルエン漏出事故

場 所:東京都 台東区
時 期:平成 20 年 2 月 14 日
事業者:小規模貯水槽水道(台東保健所対応)
概 要:
台東区谷中の集合住宅の水が有機溶剤のような臭いがするとの通報を受け調査した
ところ、スチレン及びトルエンが検出された。当該施設は受水槽容量 4 m3で小規模貯水
槽水道に該当し、水道事業者(東京都)からの給水を受水槽で受けた後、ポンプにより
各戸に配水していた。施設の状況を確認したところ、ポンプが熱を持っていた。また、ポ
ンプの羽根車が疲労変形したことによりポンプの内側を削り、磨耗片が流出していた。羽
根車の材質はスチレン及びトルエンを成分に含む変性ポリフェニレンエーテルであり、磨
耗片から漏出したスチレン及びトルエンが飲料水に混入したものと推定された。破損して
いたポンプの交換を実施後、改めて水質試験を行ったところ、スチレン及びトルエンとも
に検出限界以下であり、この事故での健康被害の報告は無かった。なお、この施設では
給水設備の定期的なメンテナンスは実施されていなかった。

ポリ塩化アルミニウムの場外漏洩事故

場 所:宮城県 塩竈市
時 期:平成 20 年 2 月 25 日
事業者:塩竈市(水道事業)
概 要:
25日午前9時ごろ、塩竈市の梅の宮浄水場でポリ塩化アルミニウムを貯留槽に補充す
る作業を行っていた。補充完了後にタンクローリーからエアを送って注入ホース及び貯
留槽の受入管に残っているポリ塩化アルミニウムの押込み作業を行っていたところ、受
入管、流出管、ドレン管及び空気抜き管が破損したためポリ塩化アルミニウムが貯留槽
室外に漏洩した。雨水側溝枡で場外への流出防止を図ったが、沢を経由して小河川に
流出し、泡及び沈殿物の発生並びに小魚のへい死を確認した(数十匹)。管破損の原
因として、①空気抜き管の閉塞、②押込み作業時の異常空気圧、③管の劣化等を想定
したが、原因の特定に至っていない。市では、早急に泡及び沈殿物の除去作業を行なう
とともに、補充時に異常空気圧が発生した場合の対応として人口蓋を開けて補充するこ
との確認と、貯留槽室になかった防液堤の設置を行なった。

残塩未検出

場 所:
時 期:平成 20 年 2 月 27 日
事業者:新城市(鳳来中央簡易水道事業)
概 要:愛知県 新城市
2 月 27 日午後 9 時 30 分頃、住民から「水道水から下水臭がする」旨の通報から水質
異常が発覚し、市職員が浄水場(水源;表流水)へ出向き浄水を簡易検査したところ残
留塩素が検出されなかったため、浄水処理を停止するとともに、原水等を採水・検査し
浄水池等の滞留水の排水作業を実施した。また、行政防災無線等による広報活動を開
始して飲用利用中止を呼びかけ応急給水を実施し、その間に洗管作業を実施し 28 日
午後 10 時には通常給水が可能となった。
浄水場での塩素注入は定量(固定式)で、水質異常発生時も正常に実施されていた。
臨時水質検査の結果、浄水からアンモニア態窒素濃度が最大 0.4 mg/ℓ 検出され、末端
給水栓での残留塩素未検出状況を勘案すると、アンモニア態窒素に起因して残留塩素
が消費されたことが推測され、取水口上流に畜産施設等が複数存在していることから、
水質事故発覚後、直ちに県が畜産施設等の立入検査を行ったところ、管理不備な施設
は確認されず、また、塩化物イオン濃度が比較的低く畜産等排水が汚染源と断定し難く
原因は解明できていない。また、クリプト等原虫汚染については、水質事故発生前後の
浄水場濁度計のデータから濁質成分の流出の可能性は少ないと考えられ、臨時水質検
査結果において原水・浄水ともにクリプトスポリジウムは検出されていない。
なお、この事態を受け平成 20 年度にアンモニア態窒素計を設置して連続監視を実施
するとともに、浄水処理方法に活性炭処理を追加する変更認可を行い、平成 21 年度中
に施設を整備する予定でいる。

送電線事故に伴うポンプ停止による断水・濁水事故

場 所:東京都 国分寺市
時 期:平成 20 年 2 月 28 日
事業者:東京都(水道事業)
概 要:
平成 20 年 2 月 28 日 12 時 40 分頃、東京都国分寺市内で断水及び濁水が発生した。
原因は、東京電力送電線の鉄塔に農業用のビニール紐が引っかかったことにより発生し
た、多摩地区 16 市にわたる大規模な停電によるものである。この影響により、国分寺市
及び府中市にある 4 箇所の浄水所において、瞬時電圧低下に伴い配水ポンプが緊急
停止した。このため、管路内にサージングが起こったことなどにより、約 200 世帯が断水
し、約 5,000 世帯が濁水の影響を受けた。送電停止から約 10 分後には浄水場の復電・
復旧を行った。その後、速やかに濁水の排水作業及び受水槽の点検を実施し、送電停
止から約 8 時間後には濁水を解消した。

管内流速の変化に伴う濁水事故

場 所:千葉県 佐倉市
時 期:平成 20 年 3 月 9 日
事業者:佐倉市(水道事業)
概 要:
石綿セメント管撤去工事のため、9 日 0 時 30 分頃から 400 mm 本管制水弁(昭和 47
年度設置)の操作を開始したところ、老朽化のため、既設制水弁のスピンドルが折れたこ
とにより、制御不能となった。このことにより、400 mm 本管内の流速・流向が急激に変化
し、広範囲に濁水が発生した。
直ちに作業を中止し、洗浄作業を行うとともに、6 時 30 分までに職員招集を完了し、広
報・応急給水の準備を終えた。6 時 30 分以降、給水車 2 台(延べ 15 回出動)、10 ℓ 給
水パック 3,400 袋による応急給水を実施。広報車、防災無線及びCATVにより広報を行
ったほか、電話対応班を設置し、苦情対応した。状況の長期化が予測されたため、市長
部局職員の他、災害時協力協定に基づき佐倉市管工事協同組合に応援を要請した。
また、水道部職員を 2 班体制とし、夜間・早朝対応を行うこととした。
翌 10 日も引き続き洗浄作業と応急給水を行い、昼前頃から濁水の沈静化がみられ、
20 時に復旧完了を宣言、解散した。平成 20 年 8 月までに水道部に寄せられた濁水報
告件数は 2,169 件である。
破損した既設制水弁については、現状をメーカーに確認してもらった結果、漏水等の
不具合が見当たらないことから、現在も使用しており、周辺老朽管更新に併せて交換す
る予定である。なお、制御は同工事で設置した不断水仕切弁により行っている。

ガードレール設置作業中(他工事)における水道管破損事故

場 所:京都府 京都市:
時 期:平成 20 年 4 月 18 日
事業者:京都市(水道事業)
概 要:
午前10時15分頃、伏見区の雨水幹線公共下水道工事において、雨水水路の築造及
び道路付帯施設の復旧工事中にガードレールの支柱(2.2 m)を土中 1.5 m まで打ち込
む作業を行っていた。この作業中に地下 1.2 m の深さに埋設されている口径 400 mm の
配水管の上部を誤って穿孔,破損した。
その復旧工事に伴い、断水及び濁水が発生し、断水戸数約 180 戸、濁水戸数約 700
戸と市民に多大な影響を与えた。上下水道局は広報車 14 台、給水車 5 台を出動させ応
急給水に当たるとともに,配水管の復旧作業を行い、午後 5 時頃に完了し、その後、通水
作業、濁水の放水、さらに清水の確認作業を順次行い、午後 8 時 45 分にすべての作業
を完了した。

管内流向変化による濁水事故

場 所:東京都 中野区
時 期:平成 20 年 4 月 24 日
事業者:東京都(水道事業)
概 要:
配水本管(φ700 ㎜)既設管内配管工事の完了に伴い通水作業を行うこととなったが、
通水元の既設管路が当該工事により、約 2 年間長期断水していたことや、今回の通水に
よって流向が変化することなどから、影響が想定される区域に広報を行い、排水作業を
実施した。
しかし、排水作業が完了し、通水したところ、予想していた影響区域外で濁水が発生し
たため、濁水範囲の確認及び排水作業を実施し、濁水発生から約 5 時間後、濁水を解
消した。
今回の事故要因としては、異形管が無ライニングである導入初期のダクタイル管を布
設していた箇所があったことから、わずかな流向変化ではあったものの、濁水を発生させ
たものと考えられる。
このため、今後、同様の作業を行う場合には、周辺の管路情報を確認し、事前洗管排
水の必要性を含め検討し、綿密な対策を取ることとした。
また、事前調査時に管網計算の結果を検証するため、事前の水圧調査を今まで以上
に徹底することとした。

送水本管(可とう管)配水管漏水事故

場 所:静岡県
時 期:平成 20 年 4 月 28 日
事業者:静岡県 (水道用水供給事業)
概 要:
午後 5 時 30 分頃、駿豆水道の中島浄水場内で漏水事故が発生した。直ちに、送水を
停止し送水管の漏水箇所の確認作業を行ったが、埋設位置が深く、他の地下埋設物等
が輻輳し、漏水箇所の確認や布設替えに手間取ったため、復旧に時間を要し、工事を
完了したのは 30 日午後 9 時 45 分となった。また既存管路内の滞留水の排水作業に予
想以上の時間を要したため、さらに断水時間が長引き、用水の開始は函南町には 5 月 1
日午前 1 時 30 分、熱海市には午前 6 時 30 分となった。市町においては、用水供給を
受けた後、洗管作業を進めながら住民に対し順次給水を開始したことから、熱海市で 5
月 1 日午後 7 時、函南町で 5 月 2 日午前6時全面復旧となった。この事故により、熱海
市と函南町の一部地域で約 4,900 世帯に断水を招いた。
なお事故原因は、不同沈下を吸収するために設けられた可とう管に、地盤等の変動に
伴う想定以上の沈下が蓄積されたことで、可とう管が破断したものと推定された。

送水管漏水事故

場 所:宮城県
時 期:平成 20 年 4 月 30 日
事業者:宮城県(用水供給事業)
概 要:
午後 4 時 30 分頃、仙南・仙塩広域水道南部山浄水場において漏水警報を検知し、パ
トロールの結果、岩沼市内の農道に埋設されている排泥弁室と送水管本管(φ900 mm)
をつないでいる副管(φ300 mm)に接続された伸縮可撓管フランジ部分から漏水(約380
~430 m3
/h)していることが確認された。ゴールデンウィーク明けの 5 月 7 日 17 時 45 分
から断水による復旧作業を行い、5 月 10 日の午前 7 時 52 分に通水を開始した。この事
故により、当該給水系統区域内の 2 市 2 町のうち、1 市 2 町の合計約 12,000 世帯、約
35,000 人が断水又は濁水の影響を受けた。
原因は、伸縮可撓管フランジ部分に経年劣化及び軟弱地盤等での不同沈下により、
外圧がかかったためと推測される。

海上自衛隊艦船の防火訓練に伴う海水逆流事故

場 所:京都府 舞鶴市
時 期:平成 20 年 5 月 2 日
事業者:舞鶴市(水道事業)
概 要:
午後 0 時 30 分、海上自衛隊舞鶴地方総監部の北吸係留所(舞鶴市字北吸 1052 番
地)内の隊員から「水道の水が塩辛い」と水道部へ連絡が入った。午後 1 時ごろ同部職
員が周辺を調査した結果、配水管に異常はなかったが、施設内の給水栓で塩分が検出
された。午後 2 時 30 分から施設内の排水作業を行い 30 分後には通常に戻った。その
後の調査で、事故原因は係留している艦船において防火訓練を午前 8 時 15 分から 8
時 50 分にかけて行った際、船内消火栓と艦船への補給水用の水栓とを誤接続したこと
であると確認された。幸いにも周辺への影響は無く、市民からの苦情や水質モニターに
も異常は検出されなかった。しかしながら、本市東地区の給水戸数約 1 万 5 千戸に給水
障害等を与えかねない重大な事故に発展する可能性があったことから、海上自衛隊舞
鶴地方総監部に対し施設内の改善の要請を行った。同総監部では再発防止対策とし
て、隊員に周知徹底を図るとともに、施設内の艦船補給用の全ての水栓への注意札の
取り付け、及び 5 箇所の施設へ引き込まれている給水管メーター二次側への逆流防止
弁の設置を実施した。併せて、市外の海上自衛隊に対しても艦艇を中心に、今回の事
例をもとに注意喚起の通知も行われた。

掘削作業中(他工事)の配水管破損事故

場 所:新潟県 佐渡市
時 期:平成 20 年 5 月 19 日
事業者:佐渡市(水道事業)
概 要:
19 日午後 4 時半ごろ、農業利水事業の幹線用水路工事(かんがい事業工事)の掘削
工事で、工事施工業者が誤って配水管(平成 19 年度布設ダクタイル鋳鉄管φ150 mm)
を破損した。これにより配水管破損箇所下流の約 440 世帯で断水した。またその配水管
破損により、破損箇所より上流部の配水管内で急激な流速変化が生じたため、配水系
統全体で濁水が発生し、約 850 世帯で影響が出た。これを受けて、給水車 4 台による応
急給水活動を開始するとともに、復旧作業に努め、同日午後 11 時に配水管修繕が終わ
ったため排泥作業を開始し、翌 20 日午前 2 時に給水を開始した。
その後、工事発注者である農政局は事故原因の検証及びその対策を検討するための
委員会を設置した。その際、施工業者に対して再発防止の指導を行った。

漏水に伴うガス管破損事故

場 所:滋賀県大津市
時 期:平成 20 年 5 月 20 日
事業者:大津市(水道事業)
概 要:
午後 2 時ごろ県道下に布設された配水管(昭和 40 年布設、ダクタイル鋳鉄管、φ500
mm)の漏水を確認した。当該配水管は、市中心部の約 6,000 戸に給水している幹線であ
ることから、断水をせずに仮設配管により修理することとし作業を進めた。しかしながら、
漏水発生から約 10 時間後の深夜になり、約 40 cm 上部にあったガス管(平成 2 年布設、
ダクタイル鋳鉄管、φ150 mm)をサンドブラスト現象により破損したため急遽、配水系統を
切替えて当該管を断水して修理した。水圧低下はあったものの夜間で断水は避けられ
たことから濁水等の大きな影響はなかった。配水管には約 75 mm の孔があいており電食
が原因と思われる。なお、ガス管への水道水流入により約 640 戸がガス供給停止となり、
この完全復旧は、事故発生から 3 日後となった。

塩素酸の基準値超過事例

場 所:山形県 鶴岡市、庄内町
時 期:平成 20 年 5 月 21 日、平成 20 年 7 月 17 日
事業者:鶴岡市(温海上水道事業)、庄内町(簡易水道事業)
概 要:
定期の水質検査の結果、今年度より水質基準項目となった塩素酸が水質基準値(0.6
mg/ℓ)を越えて検出されたことから、直ちに水道用消毒剤「次亜塩素酸ナトリウム」タンク
の洗浄と新しい消毒剤への交換に併せて、配水管路内の水の入替えを実施し、再検査
の結果、塩素酸は基準値内となった。
なお、消毒剤の長期貯留と高温な気温の継続により、消毒剤の塩素酸濃度が高まっ
たことが原因と推察される。
県においては全水道事業者を対象に、消毒剤の保管、補充状況を調査して、塩素濃
度と塩素酸含有率が低い消毒剤の導入、貯蔵期間の短縮化と貯蔵槽清掃の実施及び
残留塩素濃度を注視した水質管理を実施するように指導した。

クリプトスポリジウム誤陽性

場 所:滋賀県 甲賀市
時 期 :平成 20 年 5 月 26 日
事業者:甲賀市(水道事業)
概 要:
5 月 26 日午後 0 時 35 分委託水質検査機関より、5 月 19 日の定期水質検査時に採水
した市上水道南新田水源地の原水からクリプトスポリジウム(21 個/10 ℓ)が検出されたと
の速報があり、直ちに取水停止を指示するとともに、地元関係者や関係機関への報告、
現在の原水・浄水及び過去 2 週間分の保管サンプル水の水質検査を指示した。26 日午
後 3 時 30 分には給水停止を行い、対象となる 21 世帯、58 人には給水車やポリタンクに
よる給水を確保し、同時に有線放送による広報や各戸ビラ配布等で水道水の汚染につ
いて、同水源からの水道利用者に周知徹底を行った。午後 8 時には住民説明会を開催
し、水道利用者に健康状態の聞き取りをするとともに、飲用指導と今後の応急給水対策
について説明した。その後、応急給水活動を継続しつつ、他水源からの代替給水を行う
ための仮設配管工事を行い30日に完了、仮設給水を開始した。この間に、検出されたと
された水についてクロスチェックをおこなったところ誤陽性であることがわかった、また、
26 日に採水した原水、浄水、過去 2 週間分のサンプル水の全てクリプトスポリジウムは陰
性との報告を受け公表した。なお、南新田水源は今後もクリプトスポリジウムに汚染される
恐れがあることから、仮設給水を継続し、水源を廃止して他水源からの加圧送水に切り
替えることとしている。
今回の誤陽性については、クリプトスポリジウムの判定の難しさが起因しており、擬陽
性時には微生物専門の優良検査機関連携による迅速なクロスチェックが重要と考えま
す。

給水管の簡易消火栓管への誤接合

場 所:和歌山県 湯浅町
時 期:平成 20 年 5 月 28 日
事業者:湯浅町(水道事業)
概 要:
宅地分譲(3 戸)の際、給水管が水道配水管と併走する池からの簡易消火栓管に接続
され、入居者 2 戸に対し最大 2 か月余り水道水として供給していたもの。入居者より「水
圧が低い」との通報があり、5月28日現地確認を行ったところ、残留塩素が不検出であっ
た。調査の結果、宅地開発業者より依頼された水道工事事業者が給水管を分岐する際
に、水道配水管から分岐すべきところ、約 20 cm 斜め上方に埋設された同管種同口径
(VP 75 mm)の簡易消火栓管に誤って接合していることが判明した。また、水道事務所で
は地区住民が布設した簡易消火栓管の存在を把握しておらず、接合にあたって残留塩
素の確認を行っていなかった。仮設配管の後、水道事務所では給水管の布設替え・宅
内配管の交換・洗浄などを行ったうえ給水を再開した。なお、入居者の検診を実施した
が健康被害などは確認されなかった。

石綿管破損による広範な濁水影響

場 所:新潟県 新潟市
時 期:平成 20 年 6 月 2 日
事業者:新潟市(水道事業)
概 要:
6 月 2 日(月)午前 10 時 3 分、石綿セメント管撤去工事において,配水本管φ500 mm
に接続されたまま残置されていた石綿セメント管φ200 mm を不用管と誤り破損したこと
により漏水した。復旧に当たり配水本管の断水が伴ったため,最大 9,480 戸に減水・濁水
の影響を及ぼし濁水処理を午後 9 時に完了した。破損事故の原因は、工事施工にあた
り管路の現況調査が不十分であったことであり,また、本来は配水本管と切り離しておく
べき石綿セメント管を不適切な処理のまま残置し、当該残置管路が管路図に記載されて
いなかったことによるものである。

 

浄水場の統廃合に伴う洗管作業による濁水発生

場 所:秋田県 能代市
時 期:平成 20 年 7 月 2 日
事業者:能代市(水道事業)
概 要:
市内 2 箇所にある浄水場のうち、老朽化が著しい浄水場の廃止を予定したが、流向や
水圧の変化による濁水発生が予想されたため、廃止時と同じ状態(老朽浄水場からの供
給をストップ)にして、予備洗管作業を 7 月 1 日午後 11 時から、翌 2 日午前 5 時まで行
った。その後、午前 8 時頃になって大手スーパーから「水が濁っている」との通報を受け
たため、夜間洗管の影響と考え、直近の消火栓で洗管作業を行ったが、濁水の苦情は
徐々に増え、市内のほぼ全域に広がった。このため、市内全域で水の入替え作業を行
い、7 月 4 日には収束した。しかし、7 月 8 日になって再び市内全域から濁りの苦情が相
次いだため、夜を徹して水の入替え作業を行ったが、10 日になっても一向に収束の気
配が見られないため、老朽浄水場からの配水量を作業前の状態に戻したところ濁水は
収束した。今後老朽化が著しい浄水場は廃止しなければならないが、再度綿密な管網
解析等を行いながら、必要な措置を検討し、準備を整えたいと考えている。

 

配水池流出管バルブの誤操作による断濁水事故

場 所:札幌市
時 期:平成 20 年 7 月 7 日
事業者:札幌市(水道事業)
概 要:
7 日午前 9 時 50 分頃、豊平区西岡地区において、約 2 万世帯に影響を与える断水・
濁水が発生した。事故原因は、西岡高台配水池(有効容量 11 千 m3
)の耐震補強工事と
これに併せた新設ポンプ場の工事現場で、供用中の流出管のボルトを配管工が誤って
緩めたために出水(9 時 30 分)し、さらにこれを見た主任技術者(受託者)が、閉止しては
いけない配水池流出管バルブ(φ500 mm)を閉止したため、一時的に断水が発生したも
のである。復旧経過は 10 時 18 分にバルブを開け始め、引き続き、下流の配水管の濁水
を処理する作業を開始した。最終的に末端の配水管での処理を終えたのが、8 日午前 0
時過ぎとなった。応急給水は、職員 266 名、協力団体 82 名による体制で、給水タンク車
34 台、及び一般車輌 127 台、10ℓ 給水袋約 12 千枚を使用し実施した。広報としては車
輌による現地広報のほか、報道機関に 7 日正午から 8 日午前 9 時までに復旧完了の報
告を含む計 4 報の情報提供を行ない、併せて水道局HPによる最新情報の提供を随時
実施した。今後は、供用中の施設に近接した工事現場であるという認識の向上を図り、
作業打合せ時に全ての作業員に作業内容の確認と、作業で起こり得る事故の影響想
定、防止策を周知徹底させるよう、監督・指導を強化する。

残留塩素濃度の不足事例

場 所:山形県 飯豊町
時 期:平成 20 年 7 月 14 日
事業者:飯豊町(上水道事業)
概 要:
14 日午前、町内の学校給食共同調理場から水道水の残留塩素濃度が、0.1mg/ℓ 以
であるとの報告があり、共同調理場付近の給水栓、配水池の残留塩素濃度を測定し
たところ、いずれも 0.08 mg/ℓ 程度であった。直ちに塩素注入量の調整、給水区域内
(1,600 戸、7,600 人)の消火栓と排泥管からの排水を行い、給水車による応急給水、広
報車による水道水飲用の注意を呼びかけた。通報から 4 時間 30 分後の午後には、残留
塩素濃度の適正値を確認し通常どおりの給水を行った。
なお、水道用消毒剤「次亜塩素酸ナトリウム」の液温及び貯蔵庫の室温を測定したとこ
ろ、液温が 28 度及び室温が 30 度となっていたことから、高温な液温の継続により消毒剤
が劣化し、塩素濃度が低下したことが原因と推察される。
今後の再発防止策としては、消毒剤の貯蔵量を少量にして劣化の影響を軽減するこ
と、浄水場作業マニュアルの見直しを図り水質管理の徹底を図ることとした。

配水管漏水による断水

場 所:北海道 稚内市
時 期:平成 20 年 8 月 4 日
事業者:稚内市(水道事業)
概 要:
午前 5 時 30 分ころに住民より地表に水が湧き出ているとの通報があり、5 時 50 分φ
600mm 水道本管からの漏水であることを確認した。事故後系統切替を行うとともに漏水
掘削調査をしたところ、昭和 47 年に布設した CIP 管の管下部に貫通孔が見られ、特に
亀裂した穴『長さ 300 mm×幅 300 mm』、貫通部分付近の鉄部は 2~3 mm 程度の厚さま
で減肉していた。午前 9 時 30 分復旧工事のため一部断水を決定し、広報車 8 台による
広報、ビラ配布、応急給水ポイント 10 ヶ所にポリタンク、ポリ袋を配置、FMラジオ局を通
じ常時状況を放送。5 日午前 1 時通水開始、午前 1 時 30 分洗管・排泥作業開始、午前
12 時市内では正常給水なるが、事故現場から東側に約 30 km の位置にある宗谷岬地区
については白濁が続き、排泥作業を続行し 10 日午前 3 時配水管破損事故に係る全て
の復旧作業を完了。被害状況では断水戸数 2,100 戸(4,000 人)、水圧低下戸数 2,900
戸(6,000 人)、床下浸水 1 件、苦情件数 1,300 件であった。事故原因を究明するため水
道コンサルタント、管材料メーカーに調査依頼。原因として掘削の床付け部に露出した
地山と埋め戻し土との通気差によるマクロ腐食の可能性が高いと報告あり。今回事故箇
所は、老朽管更新工事で平成 21 年度に更新する予定であったが、今回の事故を踏まえ
今年度前倒し工事にて、12 月 20 日ダクタイル鋳鉄管 NS 型全長 639 m の更新を完了し
た。

石綿セメント管の漏水

場 所:埼玉県 加須市
時 期:平成 20 年 8 月 27 日
事業者:加須市(水道事業)
概 要:
8 月 27 日午前 9 時 30 分、住民より水道水に赤水が発生している。また、加須市中央
二丁目県道交差点から水道が漏水しているとの通報があった。このため、漏水現場の確
認を行い即時に工事業者を手配、午前 10 時から復旧工事を開始した。事故発生時の
濁水戸数約 700 戸(約 1,500 人)、工事中の断水戸数約 80 戸(約 100 人)となったため、
関係区域へ防災無線及び広報車 3 台による広報、2 台の給水車による断水世帯への応
急給水を復旧工事と併せて実施した。事故の原因としては、深さ 1.2 m に埋設されてい
た老朽水道管(昭和34年布設の石綿セメント管、φ150㎜)に地震や通行車両の振動に
より小さな亀裂が生じ、破損したものと思われる。復旧工事が完了し、断水から 6 時間 50
分後の同日午後 4 時 50 分に完全通水した。

ビル内貯水槽水道 冷却水用管への誤接合

場 所:北海道 釧路市
時 期:平成 20 年 8 月 27 日
事業者:小規模貯水槽水道(釧路市内ビル管理事業者)
概 要:
ビル空調用冷却塔への補給水管に冷却水処理剤を注入していた際、冷却水処理剤
が逆流し飲料水給水管に混入したため、27 日夕刻、飲料水から異臭及びぬめりが発生
した(発生後、2 名が腹痛を発症 … 翌日には回復、処理剤との因果関係不明)。貯水
槽管理者は同日 19 時より給水を中止し、給水設備の洗浄及び水質検査実施後、9 月 3
日に給水を再開した。
当ビルの高架水槽と連絡している飲料水給水管からは、冷却塔補給水用の管が分岐
しており、冷却水処理剤は冷却塔補給水管を通じ冷却塔に自動注入されていた。処理
剤注入設備の点検の際、誤って手動注入に設定したままとしたため、冷却塔水位が満
水となった後も冷却水処理剤の注入が止まらず、逆流し飲料水に混入したが、そもそも
飲料水給水管を冷却塔補給水管と別系統にすれば防げた事故であった。
このため、釧路市及び釧路保健所は立入の際、冷却塔への補給水管と飲料水給水管
を別系統とするよう指導した。貯水槽管理者は、給水系統の全部更新につながり費用が
多額となることから、補給水管を使わずに直接冷却水処理剤を冷却塔に注入する方法
を取ることにより、逆流防止を図ることとした。

小学校等における大腸菌検出

場 所:北海道 北見市
時 期:平成 20 年 9 月
設置者:北見市所在飲料水供給施設利用組合 2 箇所
概 要:
9 月 12 日、北見市に所在する飲料水供給組合からの水を利用している小学校におい
て、滅菌装置の消毒剤不足により、給水から大腸菌が検出された。北見市では煮沸飲
用指導及び応急給水等を実施したが、9 月 30 日には当組合と隣接している水道利用組
合の給水からも大腸菌が検出され、同様に煮沸飲用指導及び応急給水等を行った。両
施設は湧水を水源としており、大腸菌がどのような経路で混入したか不明であるが、とも
にろ過施設・滅菌装置を設置していないことから、塩素滅菌器を有している小学校等以
外では、現在も煮沸飲用指導を継続している。
組合管理施設からの大腸菌検出が続いたことから、北見市では 10 月 6 日に市内各組
合に対し、対策徹底の指導を実施している。解決に向けて、1地区においては平成21年
度末完成に向けた水道施設整備を実施中であり、もう 1 地区についても、近接する簡易
水道との統合に向けた検討を進めている。

凍結工法施工時の管路の破損事故

場 所:三重県 鈴鹿市
時 期:平成 20 年 10 月 22 日
事業者:鈴鹿市(水道事業)
概 要:
午後 3 時頃、算所五丁目地内で配水管移設工事に伴いφ200×75 フランジ付丁字管
(T 型)の丁字部分に液体窒素を使用した凍結工法により栓打工事を施工の際、フラン
ジボルトの撤去中に凍結箇所が水圧に耐えかねて抜け出し、漏水した。この漏水を止め
るため付近 4 箇所の制水弁を全閉した。このことにより付近 53 戸が断水となり、また弁を
閉鎖したことによる流速の急激な変化により、牧田・飯野及び河曲地区(約 5,000 世帯)
で濁水が発生した。広報車 2 台による広報活動と被害区域内に 2 個所の給水拠点を設
置し、断水及び濁水の対応にあたった。事故箇所は午後4時頃復旧し通水を開始し、23
日午前 2 時頃には濁水も解消された。事故原因としてはフランジ付丁字管(T 型)の丁字
部であるため凍結寸法が短く、また本管側(φ200)の流速が想定よりも速かったことによ
り凍結部分が水圧に耐えかねて漏水したものと思われる。今後は、凍結工法採用時に凍
結長の確保ができるかどうかの検討を行い、十分な凍結長の確保ができない場合は他
の工法を検討することとした。

水道水に冷却水(油分を含む)が混入する事故

場 所:群馬県 太田市
時 期 : 平成 20 年 10 月 23 日
事業者 : 太田市(水道事業)
概 要 :
午後 1 時 30 分ごろ、市民から「ボイラーから変な水が出ている」との通報があり現地の
調査を進めていたところ、他の工場(発生の原因者)からも通報が入ったので、事情を説
明し工場内の調査を行った。当初は同工場の井戸配管との誤接合と思われたが冷却設
備との接合(クロスコネクション)が原因であることを確認した。流出の原因は設備の定期
清掃時のバルブ操作の誤操作によるもので試運転時の逆圧により市配水管へ流出した
ものと判明した。4 時ごろ、給水の停止措置を行うとともに操業の中止を求め工場内の配
管ルートの確認、誤接合箇所の切り離しを行った。
誤接合は冷却設備の導入時(昭和 56 年)から行われていたようで今回の事故の立入り
調査により判明、工場内の給水工事は無届けであった。
今回の事故により健康被害は無かったものの、影響戸数 382 戸、冷却水に含まれた
分の除去に 12 日間を要し、11 月 4 日群馬県衛生環境研究所等の助言、水質検査結果
を基に安全宣言のチラシを各戸配布した。
原因者に対し、排水費(除去に要した水量)、水質検査費(油分定量分析、水道法検
査等)等の実費分の請求を行った。

専用水道における「シアン化物イオン及び塩化シアン」及び「塩素酸」の検出事例

場 所:千葉県 柏市
時 期:平成 20 年 6 月~10 月
事業者:柏市内食品工場(専用水道)
概 要:
○同工場の設置する専用水道(1~3 号井戸)から水質基準項目であるシアン化物イオ
ン及び塩化シアン(以下「シアン化合物」という。)並びに塩素酸が基準を超過して検出さ
れたが、直ちに適切な措置が講じられず、相当程度の期間にわたり当該水道が飲用及
び食品加工用に使用され続けた。
○ シアン化合物:
浄水の定期検査(9~10 月)において、2、3 号井戸系浄水で基準超過。10 月には、2 号
井戸原水でも検出。
(原因)
① 浄水:当該食品加工会社が設置した調査対策委員会において、シアン化合物の
生成について、原水にアンモニア態窒素等の有機物が多く含まれていたにも関わ
らず、塩素の注入が不十分であったことが原因である可能性が指摘されている。ま
た、塩素の注入が不十分であった理由として、6 月より基準超過していた塩素酸の
濃度を減らすため塩素注入量を減らしたこと、不適切な管理により次亜塩素酸ナト
リウムが劣化し有効塩素濃度が低下したこと等が併せて指摘されているなど、技術
管理者の知識不足が考えられる。
② 原水:検出されたシアン化合物のほとんどが塩化シアンであり、採水時以降に何ら
かの塩素混入があったことが推測されるが、原因は特定できていない。
○ 塩素酸:
浄水の定期検査(6~10 月)において、1~3 号井戸系で散発的に基準超過。
(原因)
不適切な管理により次亜塩素酸ナトリウムが劣化し、塩素酸濃度が上昇した。また、水道
用薬品として認証されていない塩素酸濃度の不明な次亜塩素酸ナトリウムを使用してい
た。
○現在は、1 号井戸(専用水道)と柏市水道からの受水により給水中。(2 号井戸は廃止
し、3 号井戸は飲用・食品加工用には使用していない。)

水道工事における作業員の事故

場 所:三重県 津市
時 期:平成 20 年 11 月 3 日
事業者:津市(水道事業)
概 要:
口径φ600 ㎜の配水本管を延長する工事において、既設管からあふれ出した水が逆
流し、作業員 1 名が死亡した。
この管路は、平成 12 年度に当該箇所まで布設し、その後下流側から布設を進め、当
該工事において上流側と下流側を接続することになっていた。事故は、上流側既設管の
末端部に設置されていたメカ栓を外す作業中に発生した。栓を留めているボルトが破断
し、既設管内の水が作業ピット内に充満した後、逆流したため、作業員が管内に吸い込
まれた。栓が突然外れたことにより、管内の水圧が一気に開放されたこと、また、事故の
起こった場所の上流部約 15 m 地点は鉄道の軌道を伏せ越ししているため、管内に負圧
が生じて逆流したと思われる。
事故の原因については、現在警察等で調査中である。

除塵機の作動不能に起因した送水停止

場 所:富山県
時 期:平成 20 年 12 月 5 日
事業者:富山県(水道用水供給事業)
概 要:
12 月 5 日の朝方、県営和田川ダムからの河川水が最初に到着する和田川水道管理
所の分水井において、ゴミ等を自動的に取り除く除塵機 2 台のうち 1 台が何らかの原因
(当時の天候は、寒冷前線が通過した影響で、強い風雨に見舞われており、上流から大
量の枯葉などが流入していたもの)で作動不能に陥った。
この除塵機のスクリーンに張り付いた枯葉などが通水の障害となって、分水井から溢れ
出した大量の原水が場内の共同溝を伝い薬注室へ流入し、薬品注入設備が浸水・故障
したため浄水処理が行えなくなったため、受水団体(高岡市、射水市)への送水を緊急
停止した。幸いにも、短時間で一部給水を再開できたことと両市の自己水源等で対応し
たことから、全面復旧までの各家庭への給水については、給水制限に至らなかった。

主要配水管(φ600mm)漏水事故

場 所:福岡県 北九州市
時 期:平成 20 年 12 月 29 日
事業者:北九州市(水道事業)
概 要:
午前 3 時に、配水流量異常の警報が発生し、その後の 3 時 10 分頃、若松警察署から
道路浸水の通報があり、配水管の漏水が確認された。この配水管はφ600 mm の鋳鉄製
(昭和 28 年布設)で、管底部に長さ約 6 m の亀裂が入っていた。また漏水量(約 1,000
m3
/時)が多かったため、全面を通行止め(W=4.0 m)し、復旧工事を行った。
復旧工事が完了するまで、約 6,000 戸に断水・水圧低下等の影響の恐れがあったた
め、11 台の広報車で断水・不出水・濁水等の広報活動を行うとともに、16 箇所の給水ポ
イントや 2 箇所の病院に給水車(22 台)を配置し、応急給水活動を行い、要望に応じて 6
ℓ 給水袋等の配布を行った。
配水管の復旧は翌 12 月 30 日午前 0 時頃に完了したが、この間の市民からの問い合
わせ等は、約 1,400 件であった。
また、漏水した鋳鉄管は布設から 55 年が経過しており、経年劣化が漏水の原因である
と思われる。
なお、近年にない大規模な漏水事故であったことから、近隣都市である福岡市から給
水袋(2,000 袋)、下関市から給水車(2 台)と給水袋(400 袋)の応援を頂き、感謝してい
る。

 

 

平成20年 水道関連の主要な事件・事故について|厚生労働省